最終更新: 2024/02/24
CERNのROOT Release 6.26/04 - 2022-06-07 から Windows用のプリコンパイル済みバイナリが配布されはじめた。当初はバグがありまともに動かなかったと思われるが、執筆時点での最新 Release 6.30.04 - 2024-01-31 は1.5年も経過しそれなりにバグ出しが進んだと期待される。
ROOT6を取り巻く状況
2021年ごろまでは、WindowsではROOTの32bit版しか動かなかったが、64bit対応が進められ、2024年2月時点では、それなりに動く64bit版バイナリが配布されています。
ROOT6のビルド済みバイナリをライブラリとして使う
Windows + Visual Studio (VS)を使って、ROOT6 64bit版をライブラリとして使ってみる。まずは、CERNのサイトからZIPファイルをダウンロードして、任意の場所に展開しておく。以下、Cドライブの直下に展開したとして話をすすめる。つまり、binフォルダは"C:\root_v6.30.04.win64.vc17\root\bin"
にある。
基本的な使い方は 最終更新: 2021/10/24 の32bit版の記事と同じである。
- Visual Studio 2019 Community または Visual Studio 2022 Communityを用意。インストール時にC++によるデスクトップ開発にチェックを入れる。Community版のかわりに、Professional版やEnterprise版でもよい。
- C++の空のプロジェクトを作成 ここではプロジェクト名を
Project1
とする。 - 構成マネージャ (上の方) を
Release x64
に変更 - プロジェクトのプロパティページのVC++ディレクトリのインクルードディレクトリに
C:\root_v6.30.04.win64.vc17\root\include
を追加 - リンカーの入力の追加の依存ファイルに
C:\root_v6.30.04.win64.vc17\root\lib\*.lib
を追加 - PATHに
C:\root_v6.30.04.win64.vc17\root\bin
を追加。VS内で追加するときはデバッグの環境にPATH=C:\root_v6.30.04.win64.vc17\root\bin;%PATH%
を追加 - 構成プロパティの全般のC++言語標準を、
ISO C++17標準 (/std:c++17)
に変更 - ソースファイルからC++ファイルを追加
- C/C++のプリプロセッサのプリプロセッサの定義に、
_CRT_SECURE_NO_WARNINGS
を追加 - サンプルコードを C++ と ROOT6版 ガウス分布をフィッティング ($2194393) · Snippets · GitLab からコピペ