応用行動分析において、行動目標を記述するとき、認知ヒエラルキーとして提案されている6つの学習レベルについて紹介されていたので引用する。
「はじめての応用行動分析」アン・C. トルートマン著 より
一般指導目標の実例 及び 特定の学習結果を表す行動的用語
知識
- 一般的用語を知っている。
- 具体的な事実を知っている。
- 方法や手続きを知っている。
- 基本的概念を知っている。
- 原理を知っている。
定義する、記述する、同定する、名付ける、列挙する、照合する、概略を言う、再現できる、選び出す、叙述するなど。
理解
- 事実と原理を理解する
- 教科書を解釈する。
- 表やグラフを解釈する。
- 文章題を式になおす。
- データから予測する。
- 方法や手続きを正しくなおす。
変換する、弁護する、区別する、評価をする、説明する、発展させる、一般化する、例を挙げる、推論する、言い換える、予測する、書き換える、要約するなど。
応用
- 概念や原理を新しい状況に当てはめる。
- 法則や理論を実際の状況に当てはめる。
- 算数の問題を解く。
- 表やグラフを作る。
- 方法や手続きを正しく使う。
変える、計算する、示範する、発見する、操作する、改善する、操縦する、予測する、準備する、創り出す、関係付ける、見せる、解決する、使用するなど。
分析
- 直接述べられていない前提を認識する。
- 推理の論理的な誤りを認識する。
- 事実と推論を識別する。
- データの妥当性を評価する。
- 芸術作品の全体構造を分析する。
細分化する、図示する、識別する、弁別する、区別する、同定する、例示する、推論する、概略を言う、要点を指摘する、関連付ける、選び出す、分離する、下位分類をするなど。
総合
- 巧みに構成された文章にする。
- 巧みに構成された話をする。
- 独創的な短い物語を創る。
- 実験計画を提案する。
- いろんな分野の学習結果に基づいて問題解決のプランを作る。
- 物を分類整理するための新しいスキームを考案する。
範疇分けをする、組み合わせる、編集する、作曲する、創造する、考案する、デザインする、説明する、生み出す、改善する、組織化する、計画を建てる、再編する、再構成する、関係付ける、再組織化する、改定する、書き換える、要約する、語る、書く。
評価
- 文章の論理的一貫性を判断する。
- データの裏付けがある結論かどうかを判断する。
- 内的な基準に従って芸術作品の価値を判断する。
- 優れている物についての外的な基準に従って芸術作品の価値を判断する。
鑑定する、比較する、結論を出す、対比させる、批評する、記述する、弁別する、説明する、正当化する、解釈する、関係付ける、要約する、支持するなど。
引用は以上。
未知の物事に対して挑む時、このヒエラルキーを飛ばして学習することは難しい。指導する際も、このヒエラルキーを意識しなければならない。例えば、初めての課題で理解や応用を問うてはならない。